近鉄大和西大寺駅は、近鉄大阪線、京都線、橿原線、奈良線の要の駅。駅前は、そこそこのビル街とマンションが群がっている。が、駅前を東に行くと、すぐに広大な平城宮跡に突き当たる。 

ならファミリー、ガラス張りエレベーターから見る平城宮跡大極殿
左の写真より上の階より

  つまり、宮域のすぐ側に、東大寺に対する法華滅罪の寺・法華寺のように、西大寺に対する西隆尼寺が作られていた。トップ写真のビル群がスッポリ入る大きさである。            左が三和ビル、柱の右側に奈良ファミリー、正面は南都銀行ビル。

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 駅北側の三和ビル入口左手に西隆寺の発掘研究を続けている、奈良文化財研究所の掲示板がある。これに目を留めて立ち止まるのは、歴史に興味がある観光客。奈良ファへ買い物の奈良の住人はほぼ見ていない。                               後の桓武天皇 皇太子の時、病気平癒の誦経を、東大寺、西大寺と共に行う格式高い寺院であったが、平安遷都後、西大寺と共に衰退、再三の災害もあり、鎌倉時代の絵図には寺地は西大寺寺領の田畑となっていた。

遺構調査区全景 上記写真のアップ分
遺構 瓦積基壇 上記写真のアップ分

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西隆寺築地塀跡
   ツツジが咲いているこの辺が   築地塀跡か
西隆寺案内板
上の写真の境内図の赤丸部分

 三和ビル前から横断歩道を渡ると南都銀行ビル。                   このビルの立体駐車場入口付近築地塀があったそうだ。常に車が出入りしているので、この表示板も気がつく人はほぼない。

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西隆寺塔跡
塔跡
塔は法起寺の塔に似ている
赤丸が塔の位置

現在は取り壊されている元銀行ビルの裏手に三重塔跡があった。なので、この遺跡は再現されるかどうかわからない。現在も工事中である

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上の写真の境内図の赤丸部分

 奈良ファミリーに入って、1階イオン北側のエスカレーターのそばの柱に表示板がある。振り返って売り場に入り足元を探すと柱跡が丸く書かれて、いく筋か続いている。

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 1階イオン側から、近鉄百貨店へ抜け真っ直ぐ行くと西大寺駅行き。途中右斜めに行くと奈良ファミリーの立体駐車場に行く出口になる。出た所左手に西隆寺回廊跡が1部復元(本物の遺跡は2メートル下に)されている。

上の写真の境内図の赤丸部分
復元した玉石列は回廊基壇の縁石(えんせき・ふちの石)

 奈良市は、特にこの平城宮跡近くは、今もどこを掘っても遺跡が出てくる可能性がある。凝縮された、1300年の歴史の上を、私達は歩いている・・・・といつも思ってはいないが、時々、ふいっと足下を見ることがある。